主任技術者と監理技術者の違い|配置の条件を解説

「うちの現場、主任技術者と監理技術者、どっちを置けばいいんだ?」
「名前は聞くけど、違いがいまいち分からない…」

建設業で技術者の配置を考えるとき、多くの人がつまずくのがこの2つの違いです。工事の規模や契約のしかたで置くべき技術者が変わり、間違えると行政処分の対象になることもあります。

この記事では、「どんなときに、どちらを配置すべきか」を中心に、2025年の改正で変わった金額の基準もふまえて、やさしく整理します。

主任技術者は、すべての工事で必要

まず押さえたいのは、建設業の許可を持つ会社は、請負金額に関係なく、すべての工事に主任技術者を置かなければならないということです(建設業法26条1項)。「小さな工事だからいらない」は通用しません。

主任技術者の主な役割はこうです。

  • 施工計画の作成
  • 工程管理・品質管理
  • 現場作業員への技術指導
  • 法令を守れているかの確認

現場にずっと張りついている必要はありませんが、いつでも対応できる体制は必要です。

監理技術者は、大きな工事の元請で必要

監理技術者は、主任技術者より一段重い責任を負う立場です。配置が義務になるのは、元請業者が、下請に出す金額の合計が一定額以上になる工事を請け負うときです。

2025年2月の改正で、この金額が引き上げられました。

  • 監理技術者が必要になる下請合計額:5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)

改正前は4,500万円(建築一式7,000万円)でしたが、工事費の高騰を受けて引き上げられたものです。古い基準のまま判断すると間違えるので注意してください。

監理技術者の役割は、下請業者全体を含めた工事全体の管理です。元請として、計画から最終チェックまで全体を見渡し、下請間の工程調整なども担います。

主任技術者・監理技術者の違いを整理すると

主任技術者監理技術者
必要な場面すべての工事元請で下請合計5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)
立場その工事の施工管理下請を含めた工事全体の管理
必要な資格主任技術者の要件より上位の資格・経験が必要

「専任」が必要になるラインにも注意

もう一つ大事なのが「専任」です。これは、その技術者が他の現場を兼務せず、その現場だけに専念しなければならない、というルールです。

専任が必要になるのは、請負金額が4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)の工事です。この金額も2025年の改正で、4,000万円から4,500万円に引き上げられました。

つまり、主任技術者か監理技術者かという区分とは別に、「専任でなければならないか」という判断が重なってきます。公共性のある重要な工事では、この専任が特に厳しく見られます。

なお、現場ごとに監理技術者補佐を専任で置けば、一人の監理技術者が2つの現場を兼務できる特例(特例監理技術者)もあります。人手不足への対応として設けられた仕組みです。

工事の途中で金額が基準を超えたら

契約変更などで請負金額や下請金額が基準を超えた場合は、途中でも配置を見直す必要があります。「最初は主任技術者でよかったが、増額で監理技術者が必要になった」というケースです。

金額が基準ぎりぎりの工事は、最初から監理技術者や専任を見込んで体制を組んでおくほうが、あとで慌てずに済みます。

技術者は「自社で雇用している人」でなければならない

意外と見落とされがちなのが、技術者と会社の雇用関係です。どれだけ資格や経験があっても、外注や短期の派遣では配置できません。

  • 外注契約・短期の派遣社員では原則として配置できない
  • フリーランス(業務委託)も基本的に不可
  • 公共工事では、入札日より前から一定期間(おおむね3か月以上)雇用されていることが求められる

行政から雇用関係の証明を求められることもあります。健康保険証、厚生年金の通知、雇用契約書、実務経験を示す書類などを、あらかじめ整えておくと安心です。

よくある質問

Q. 500万円未満の小さな工事でも、技術者は必要ですか?

建設業許可を持っている会社なら、金額に関係なく主任技術者の配置が必要です。「小さいから不要」とはなりません。

Q. 監理技術者が必要なのは、いくらからですか?

元請として下請に出す金額の合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる工事です。2025年2月の改正で、従来の4,500万円から引き上げられました。

Q. 自社の現場でどちらが必要か、判断できません。

元請か下請か、金額がいくらか、公共工事かどうかで変わるため、迷う場面は多いところです。契約の内容を具体的に整理したうえで確認するのが確実です。判断に迷ったら一度ご相談ください。

まとめ

  • 主任技術者は、許可業者のすべての工事で必要
  • 監理技術者は、元請で下請合計5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)で必要
  • 専任が必要になるのは4,500万円以上(建築一式9,000万円以上)
  • これらの金額は2025年2月の改正で引き上げられた
  • 技術者は自社で雇用している人に限られ、外注・派遣・フリーランスは原則不可

「うちの体制で合っているか」「この工事はどちらが必要か」と不安に感じたら、契約の段階で確認しておくと、後の手戻りや処分のリスクを防げます。

あらかき行政書士事務所では、那覇市を中心に沖縄県全域で、建設業許可や技術者配置のご相談をお受けしています。LINEからお気軽にお問い合わせください。

あらかき行政書士事務所
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\お問い合わせ/

参考リンク:国土交通省 – 建設業法に関する情報

一般建設業と特定建設業の違い|初心者向け解説

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