現場を支える親方のためのやさしい解説
「建設業許可を取ろうと思ったら、“誠実性”って書かれてた。これって一体どういう意味なんだろう?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
この“誠実性”という言葉、普段の現場仕事ではあまり意識しないかもしれません。
けれど、建設業許可を取るうえではとても重要なポイントなんです。
普段からまじめに仕事をしている方ほど、「誠実さには自信があるよ」と思うかもしれません。でも、許可申請のときには、そういった気持ちだけではなく、「法律的に問題がない」「過去にトラブルがない」といったことを“証明できるか”が問われます。
今回は、沖縄で小さな建設業を営む金城さんの体験を通じて、“誠実性”とはどういうことか、何を注意すべきかをやさしくお伝えしていきます。
現場で頑張ってるだけじゃダメなの?金城さんの気づき
金城さんは、自分の会社をもっと大きくしていこうと決意し、建設業許可の申請にチャレンジすることにしました。
ところが、申請書を読み進めていく中で「誠実性の有無を確認する」という欄に目が止まりました。
「自分はちゃんとやってきた。でも、“誠実性”って具体的に何を指してるんだ?」
この言葉が気になって、調べていくうちに「ただ仕事をこなすだけじゃダメなんだ」と気づいたのです。
“誠実性”って、簡単に言えばこんなことです
法律の言葉で言うとややこしく感じるかもしれませんが、内容はとてもシンプルです。
嘘をつかない
ズルをしない
約束を守る
法律に違反しない
つまり、「当たり前のことを、当たり前に続けているかどうか」が見られるのです。
建設業許可の審査では、以下のような行為があると“誠実性がない”と判断されてしまいます。
詐欺や脅し、横領などの違法行為
書類を偽造したり、工事内容を偽ったりする行為
契約どおりに仕事をしない(遅延・内容のごまかし)
トラブル時に黙ったり、嘘をついてごまかす
こうした行動があると、「この会社には任せられない」と判断されてしまうのです。
ごまかした結果、信頼をなくした話
金城さんは、ある公共工事で問題が起きたことがありました。
台風の影響で工期が遅れたのですが、それを正直に話さず、書類上では「工事完了」として報告してしまったのです。
「ちょっとのごまかしだし、大丈夫だろう」
そう思っていた金城さんでしたが、後日、発注者にばれてしまい、信頼を大きく損なう結果に。次の工事の契約は白紙になり、大きなチャンスを逃してしまいました。
この出来事がきっかけで、金城さんは“誠実性”の大切さを心から実感しました。
誠実性が欠けると許可が下りないことも
実は、過去に不正や違反をした記録があると、建設業許可が取れないこともあります。特に以下のようなケースには要注意です。
建築士法や宅建業法などで処分を受け、許可を取り消された経験がある
→ 5年間は再申請ができません暴力団と関係がある、またはその傘下にある会社である
→ 許可自体が認められません
つまり、現在まじめにやっていても、過去の行動が許可に影響を与えることがあるということです。
金城さんが実践した「誠実性チェック」
この反省から、金城さんは会社の中で「誠実性を守るチェックリスト」をつくりました。
契約内容や工期を守っているか
工事の内容をごまかしていないか
法律違反につながる行為がないか
関係書類を正しく管理できているか
発注者や下請けに正直な対応ができているか
暴力団などと一切関係がないことを証明できるか
こうした内容を、月に一度スタッフと一緒に確認するようにしました。小さなことでも見逃さない意識を持つことで、会社の信用も徐々に高まってきたそうです。
許可を取るためだけじゃない。「信用される会社」になるために
建設業許可を取るために“誠実性”が必要なのは確かですが、それ以上に大切なのは、取引先やお客様に「この会社は信頼できる」と思ってもらうことです。
嘘をつかない
約束を守る
ミスがあっても正直に話す
こうした姿勢が、会社の信用をつくり、次の仕事や紹介にもつながっていきます。
最後に|不安なときは、一人で悩まず相談を
「うちは大丈夫かな?」
「昔のことが気になるけど、どう判断されるのかわからない」
そんなときは、一人で悩まず、建設業許可に詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
那覇市のあらかき行政書士事務所では、建設業許可の申請だけでなく、“誠実性”に関するアドバイスや過去のトラブルに関するご相談も受け付けています。
書類の準備や内容の確認もサポートしていますので、まずはお気軽にご相談ください。
参考リンク:沖縄の建設業許可情報
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