専任技術者とは?条件や実務経験をわかりやすく解説
建設業の許可を取るとき、「専任技術者が必要です」と言われて、困ったことはありませんか?
「うちには誰がなれるんだろう?」「実務経験って何を指すの?」そんな疑問を持つ方は多いです。
建設業許可の中でも、“専任技術者”の部分は制度が少し複雑で、特に初めての方にはわかりづらく感じます。
この記事では、専任技術者の意味や必要な条件、実務経験の考え方を、できるだけやさしく説明していきます。
専任技術者とは?
専任技術者とは、営業所ごとに常勤で配置しなければならない技術責任者のことです。
建設工事の見積り、契約、現場管理など、技術的な判断を求められる場面で中心的な役割を果たします。
この人がいなければ、そもそも建設業の許可がもらえません。
だからこそ「誰が専任技術者になれるか」は、許可申請の最初のカギになります。
「専任」とはどういうこと?
ここでの「専任」とは、その営業所にフルタイムで勤務している状態を意味します。
他の会社や営業所、あるいは他の法律で専任が必要な仕事(例:宅建士など)を兼務していると、専任とは認められません。
専任と認められない例
通勤できないほど遠くに住んでいる
他の営業所でも専任技術者として登録されている
宅建士などの専任義務がある職を兼任している
一般建設業の専任技術者の条件
一般建設業の専任技術者には、以下のいずれかで該当すれば認められます。
1. 指定学科卒業+実務経験
大学卒業:3年以上の実務経験
高校卒業:5年以上の実務経験
(指定学科とは:土木・建築・電気など建設に関する学科)
2. 国家資格の保有者
例:一級施工管理技士、建築士など
国土交通大臣が認める資格を持っている場合は、実務経験なしでもOKです
3. 長期実務経験者
資格も学歴もない場合でも、10年以上の実務経験があれば可能です
特定建設業の専任技術者の条件
特定建設業の方が、条件は厳しくなります。
次のどちらかを満たす必要があります。
1. 資格保有者
国交大臣が指定した国家資格を持っている
2. 指導監督的な実務経験
元請として、4500万円以上の工事を2年以上指導監督した実績がある
これは現場責任者や主任技術者として、実際に指導・管理した経験があるかどうかが重要です。
実務経験とは?
建設現場で実際に工事に関わった経験のことを「実務経験」といいます。
以下のような仕事が該当します。
現場監督、主任技術者
設計担当や積算業務
発注者との打ち合わせ、現場管理など
評価されない例:
書類整理や清掃などの補助業務
材料の運搬や事務のみ
注意:
同じ期間に複数の業務をしても、経験年数は重複してカウントできません
類似業種(とび工と解体工事など)は合算できることもあります
指定学科とは?
国土交通省が定めた「建設関連の学科」のことを指します。
土木工学科、建築学科、機械工学科など
詳細は国交省のWebサイトで確認可能
指定建設業とは?
特定建設業のうち、特に許可が厳格な業種のことを指します。
以下の業種が該当します。
土木工事業
建築工事業
電気工事業
管工事業
鋼構造物工事業
塗装工事業
造園工事業
経営業務の管理責任者と兼任できる?
同じ営業所であれば、専任技術者と経営業務の管理責任者は兼任可能です。
ただし、違う営業所では兼任できません。
専任技術者を配置するメリット
建設業許可を取得できる
技術力・信頼性を証明できる
公共工事や大規模案件の受注が可能になる
まとめ:専任技術者は許可取得のカギ
専任技術者は営業所に1人、常勤で配置する必要がある
条件は「資格・学歴+経験・長期実務」の3パターンがある
特定建設業ではより高度な経験・資格が求められる
自社に該当する人がいるか不安なときは、専門家に相談しよう
この記事を読んで、「あの社員が専任技術者になれるかも」「今から経験を積んで目指してみたい」と思っていただけたら幸いです。
建設業許可に向けた第一歩として、まずは“専任技術者の条件”をしっかり把握しておきましょう。
参考リンク:建設業許可に関する国土交通省のページ
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