【遺言の役割と効力】

家族や親族が遺産を巡って争う「争族」という言葉を耳にしたことはありますか?
相続は家族を支えるものでもありますが、適切に準備しないとその逆の結果を招くこともあります。
この記事では、遺言書がどのように相続を円滑に進め、家族の絆を守る役割を果たすのかをわかりやすく解説します。


遺言の役割とは?

遺言書とは、故人が生前に財産の分け方や遺族への思いを明確に記した「最後の意思表示」です。
遺言書があることで、遺族間のトラブルを未然に防ぐだけでなく、相続の手続きもスムーズになります。

遺言がなぜ必要なのか?

もし遺言書がなければ、相続は法律に基づいて分割されます。しかし、それが必ずしも全員にとって公平とは限りません。
例えば、次のようなケースが発生することがあります:

  • 介護を担った人が正当に評価されない
  • 法定相続人以外の人に財産を渡したい場合(例: 内縁の配偶者)

遺言書は、こうした事情を反映し、遺族が納得しやすい形で財産を分配するための重要な手段です。


遺言で防げる「争族」問題

遺産を巡るトラブルは年々増えています。その背景には、家族構成や価値観の変化があります。
特に次のような場面でトラブルが起こりやすいです:

  1. 財産の分割割合に不満がある場合
  2. 法定相続人以外の人が財産を主張する場合
  3. 遺産の分割方法に意見が分かれる場合

遺言書があれば、こうした状況を回避し、相続をスムーズに進めることができます。


良い遺言を残すポイント

1. 遺留分を考慮する

遺言書で自由に財産を分配することができますが、相続人には「遺留分」という最低限の取り分が法律で保証されています。
遺留分を無視した遺言書は、かえってトラブルを招く原因になるため、バランスを考慮することが大切です。

2. 遺言の理由を明記する

相続分に差をつける場合は、その理由を遺言書に記載しておきましょう。
例えば、「介護をしてくれたから」「事業を継ぐために必要だから」など、明確な理由を示すことで、他の相続人も納得しやすくなります。

3. 法的形式を守る

遺言書が正式な形式を満たしていないと、効力を失う可能性があります。以下の3つの形式を正しく選びましょう:

  • 自筆証書遺言(全文を自筆で書く)
  • 公正証書遺言(公証人が作成)
  • 秘密証書遺言(内容を秘密にしたまま遺言を残す)

公正証書遺言は、公証人が関与するため、もっとも確実で安心です。


遺言書でできること

遺言書には、法的効力を持つ事項と、希望を伝える「付言事項」が含まれます。

法的効力のある事項

  • 相続分の指定
  • 遺産分割の方法(例: 不動産は長男に、預貯金は次女に)
  • 特定の人への財産の遺贈(例: 介護をしてくれた内縁の配偶者へ)
  • 未成年後見人の指定

付言事項(法的効力はないが希望を伝える)

  • 「葬儀は家族葬で執り行うこと」
  • 「家族で協力して事業を発展させること」

付言事項は法的拘束力はありませんが、故人の思いを伝える重要な役割を果たします。


遺言書作成の流れ

  1. 財産の洗い出し
    → 不動産、預貯金、有価証券、保険などすべてリスト化。
  2. 相続人の確認
    → 法定相続人を確認し、全員の連絡先をリスト化。
  3. 遺言書の形式を選択
    → 公正証書遺言が安心でおすすめ。
  4. 専門家に相談
    → 弁護士や行政書士に相談して内容を確認する。

まとめ:遺言書は家族への最後のプレゼント

遺言書を残すことは、家族に平和をもたらすだけでなく、故人の思いを形にする行為です。
「争族」を防ぐためにも、早めに準備を始めることをおすすめします。

もし、どのように遺言書を作成すればよいのか分からない場合は、私たち行政書士にご相談ください。
専門的なアドバイスとサポートで、あなたとご家族の安心をお手伝いします。

あらかき行政書士事務所
📞 098-996-4385
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参考リンク:法務省「遺言について」

 

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