財産分与とは?離婚後の公平な分け方と注意点
離婚は精神的にも体力的にも大きな負担がかかる出来事ですが、その後の生活を安定させるために大切なもののひとつが「財産分与」です。
「何を、どうやって、どこまで分けるのか?」 この部分で悩んでしまう方も多いのが現実です。
そこで今回は、財産分与の基本と注意すべきポイントを、難しい言葉を使わずにわかりやすく解説します。
財産分与ってどんな目的で行うの?
財産分与は、夫婦が結婚生活を通じて協力して築いた財産を、離婚時に公平に分けるための制度です。 たとえ専業主婦(主夫)であっても、家事・育児という立派な貢献が認められるのが特徴です。
主な目的は次の4つに分かれます:
- 清算的財産分与:夫婦が一緒に築いた財産を公平に分け合うための基本的な分与。
- 扶養的財産分与:離婚後に生活が困難になる側への一時的な生活支援。
- 慰謝料的財産分与:離婚原因によっては、精神的損害に対する慰謝料を含める場合もあります。
- 婚姻費用の清算:離婚前に未払いだった生活費などを精算する意味合いも含みます。
分ける対象になる財産・ならない財産
すべての財産が対象になるわけではありません。共有財産と個人財産をきちんと区別しておくことが大切です。
財産分与の対象になるもの
- 結婚後に貯めた預貯金
- 家や土地などの不動産
- 家具や家電などの家財道具
- 車やバイクなどの動産
- 夫婦名義の株式や投資信託
対象にならないもの
- 独身時代に持っていた預金や不動産
- 結婚中に親から相続・贈与された財産
- 明らかに個人の趣味・特定の使用目的のもの(例:ブランド品、個人用PCなど)
「半分こ」が基本?公平な分け方の基準
実務上は、夫婦の貢献を対等と見なして「2分の1ずつ」が原則です。 これは、たとえ一方が働き収入を得ていたとしても、もう一方が家事や育児などで家庭を支えていたという考え方に基づきます。
もちろん、財産の種類や分割方法によって柔軟に調整されることもあります。
財産分与の手続きと注意点
1. 文書に残すことが大切
口頭での約束ではなく、書面にまとめておくことが基本です。可能であれば公正証書にすることで、将来のトラブルを未然に防げます。
2. 請求には期限がある
離婚から2年以内に請求しないと、原則として財産分与を求める権利がなくなります(慰謝料については3年以内)。忘れずに行動しましょう。
3. 専門家に相談する
特に不動産や事業資産がある場合は、話し合いが難航するケースもあります。 そうしたときは、行政書士や弁護士など専門家に相談することでスムーズに進めることができます。
まとめ|財産分与は新しい生活をつくるための準備
財産分与は「財産の分け合い」ではなく、「これからの人生をスタートさせるための整理」です。
- 夫婦が協力して築いた財産は公平に分ける
- 対象になる財産とならない財産をきちんと把握する
- 手続きは文書で、必要があれば公正証書に
- 専門家と一緒に進めれば安心
離婚を経験するというだけでも大変なこと。 でも、財産分与をきちんと行うことで、次の人生を安心して踏み出すための土台が整います。
不安なときは一人で悩まず、ぜひご相談ください。 あらかき行政書士事務所が、あなたの再出発をサポートいたします。