複数業種にわたる実務経験とは?
「専任技術者として認定されたいけど、業種がバラバラ…これって不利?」 そんな不安を抱えている方も多いと思います。でもご安心ください。この記事では、複数の業種をまたいで経験を積んできた方が、どうすれば専任技術者として認定されるのか、その条件や注意点をやさしく解説します。
複数業種の経験でも専任技術者になれる?
答えは YES です。たとえひとつの工事業種に絞られていなくても、一定の条件を満たす実務経験があれば、専任技術者として認められます。
基本となる実務経験の要件
たとえば、これまで大工の現場や土工の現場、さらには解体工事など、さまざまな業種の現場で経験を積んできた方でも、「専任技術者」として申請することは可能です。
ただし、以下の2つのポイントを満たしていることが必要です。
◇ 実務経験に関するルール(建設業法施行規則 第7条の3) 「複数の工事業種にわたる実務経験を有する者については、その総合的な実務経験が12年以上であり、かつ、申請する工事業種に関して8年以上の経験があること」
これは、長年いろんな現場で働いてきた方の「経験の幅」と「専門性の深さ」の両方を評価する制度です。
条件項目 | 内容 |
---|---|
総合実務経験 | 各工事業での合計12年以上の実務経験 |
専門的実務経験 | 申請対象工事に関する8年以上の実務経験 |
この2つの要件を満たしていれば、これまでいろんな現場で経験を積んできた方でも、しっかりと一つの業種で専任技術者として申請することができます。
業種別の詳細条件
大工工事業
- 木造住宅の建築や修理など
- 建設工事業+大工工事業で12年以上、そのうち8年以上が大工工事関連
とび・土工工事業
- 足場の組立や基礎工事など
- 土木工事+とび・土工工事で12年以上、そのうち8年以上が土工関連
屋根工事業
- 屋根材の施工や修理など
- 建設工事+屋根工事で12年以上、うち8年以上が屋根関連
しゅんせつ工事業
- 川底や港湾の掘削など
- 土木工事+しゅんせつ工事で12年以上、8年以上のしゅんせつ工事経験
ガラス工事業
- 窓ガラスの取り付けなど
- 建築工事+ガラス工事で12年以上、8年以上がガラス工事経験
防水工事業
- 屋根や壁の防水施工など
- 建築工事+防水工事で12年以上、8年以上が防水経験
内装仕上工事業
- クロスや床材などの施工
- 建築工事+内装仕上工事で12年以上、うち8年以上が内装仕上工事経験
熱絶縁工事業
- 断熱材の施工など
- 建築工事+熱絶縁工事で12年以上、8年以上が熱絶縁工事経験
水道施設工事業
- 上下水道の配管・接続など
- 土木工事+水道施設工事で12年以上、8年以上が水道施設工事経験
解体工事業
- 建物の取り壊し等
- 以下のいずれかのパターンで12年+8年を満たす必要があります:
- 土木工事+解体工事
- 建築工事+解体工事
- とび・土工工事+解体工事
それぞれ、解体工事に関する実務経験が8年以上必要です。
書類の準備と注意点
実務経験を証明するには、次のような書類が求められます:
- 工事請負契約書や請求書など(期間・金額・工事名が分かるもの)
- 建設業許可通知書の写し(許可期間中のもの)
- 職務経歴書(期間と内容を明記)
※ 証明書類が不足すると、せっかくの経験が評価されないこともあります。だからこそ、できるだけ多くの証拠資料をそろえて、しっかりと自分の実力を伝えていきましょう。
専任技術者を目指すあなたへ
複数業種での経験を積んできた方は、それだけで大きな“強み”です。現場を知っているからこそできる判断力、幅広い知識が、これからの仕事に必ず生きてきます。
特に「8年以上の専門経験」は、その業種の責任者として信頼される力の証でもあります。
しかし、建設業許可の申請は複雑です。書類が揃っていても、形式や記載方法で不備とされることも。
だからこそ、行政書士など専門家のサポートを受けることで、時間と手間を大きく省くことができます。
まとめ
- 複数業種にわたる経験でも、専任技術者としての認定は可能
- 合計12年以上、かつ対象業種で8年以上の経験が必要
- 業種ごとの組み合わせ条件を確認することが重要
- 書類の準備は丁寧に。専門家への相談で安心を
すぐ相談じゃなくてもOK。
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