建設業許可を取った後も、ちゃんと手続きできていますか?
「ようやく建設業の許可が取れた…」
そんな安堵と達成感を感じた方も多いと思います。
でも、その許可、取得後に何もせずにいると、知らないうちに失効してしまうことがあるのをご存じですか?
建設業許可を取得した後には、毎年の報告や、変更があった場合の届出、そして5年ごとの更新手続きなど、やるべきことがたくさんあります。
しかも、それぞれ提出期限が決まっていて、「忘れていた」「忙しくて後回しにしていた」では済まされません。
場合によっては許可が失効し、もう一度最初から取り直さなければならなくなることもあります。
この記事では、建設業許可を取得したあとの主な手続きを、ひとつずつわかりやすくご紹介します。
決算変更届の提出は毎年必要です
建設業許可を取得した後は、毎年、事業内容を行政に報告する必要があります。
これが「決算変更届」です。
これは、前年度の工事実績や財務内容などをまとめた報告書で、「この会社はきちんと経営している」ということを示す役割を持ちます。
提出期限は以下の通りです。
法人:決算終了日から4か月以内
個人事業主:毎年12月31日を基準に4か月以内(翌年4月末まで)
この届出を怠ってしまうと、次の更新申請がスムーズに通らなかったり、追加資料を求められることがあります。
とくに初めて提出する方は、決算月から逆算して、早めの準備を心がけましょう。
許可には5年の有効期限があります
建設業許可は、取得すればずっと使えるわけではありません。
許可の有効期限は5年間です。
そのため、5年ごとに更新申請を行わなければなりません。
提出が遅れて期限を過ぎてしまうと、許可は自動的に失効してしまいます。
一度失効してしまうと、また最初からの申請が必要になり、手間や費用も大きくなってしまいます。
提出期限は、許可の満了日の30日前までです。
更新手続きは早めに取りかかり、万が一に備えて余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
廃業する場合は届出が必要です
建設業をやめる場合や、別の業種に転換して許可が不要になった場合には、「廃業届」を提出する必要があります。
この届出は建設業法で義務付けられており、忘れてしまうと後で行政から通知や指導が入る可能性もあります。
提出期限は、廃業が決まった日から30日以内です。
実際に「出し忘れていて、役所から連絡が来て慌てて手続きした」という方も少なくありません。
廃業が決まった段階で、速やかに提出の準備を始めるようにしましょう。
会社情報や人事の変更があれば「変更届」を
会社を経営していると、さまざまな変更が起こるものです。
商号(会社名)を変更した
営業所の所在地が変わった
代表者や役員が交代した
専任技術者が退職した
このような変更があった場合は、すみやかに「変更届」を提出する必要があります。
変更の内容によって、提出期限が異なるため注意が必要です。
【提出期限:事実が発生してから30日以内】
・商号や営業所の変更
・業種の変更
・役員の就任・退任・代表者の変更
【提出期限:事実が発生してから2週間以内】
・経営業務管理責任者の変更
・専任技術者の変更
・使用人や補佐者の変更
とくに専任技術者の変更は、許可の継続に関わる重大な要件です。
早急な対応が求められます。
社会保険加入状況も提出が必要です
建設業では、健康保険や厚生年金などの社会保険への加入状況を、毎年報告する必要があります。
この報告は、従業員の適正な雇用を維持しているかどうかの確認でもあり、提出を怠ると行政指導の対象になる可能性もあります。
提出期限は、事業年度終了後4か月以内です。
少人数の会社であっても対象になることがありますので、必ず確認しておきましょう。
手続きを忘れるとどうなるの?
提出し忘れた場合や期限を過ぎてしまった場合、どうなるのでしょうか。
更新手続きができない
追加書類の提出を求められる
許可が失効してしまう
行政から指導や警告が届く
こうしたトラブルを避けるには、あらかじめスケジュールを管理し、提出物を整理しておくことがとても大切です。
忙しい方こそ、早めの準備を
「やらないといけないのは分かっているけど、時間がない」
「書類が複雑で、どこから手をつけていいのか分からない」
そう感じている方も多いかもしれません。
でも、手続きは一つひとつ整理すれば、それほど難しいものではありません。
早めに準備することで、慌てることなく対応できます。
一人で悩まず、まずはご相談ください
建設業許可を維持するためには、取得後の手続きも含めて、継続的な管理が必要です。
「何を出せばいいのか分からない」
「うちの会社の状況にあったアドバイスが欲しい」
「変更や更新の時期を見直したい」
そんなときは、行政書士などの専門家に相談することで、安心して本業に集中できます。
まずはご自身の状況を確認し、必要な手続きをリストアップしてみましょう。
ひとつずつ準備しておけば、更新の時期や変更のタイミングも、落ち着いて迎えられます。