深夜営業に必要な「防音」と「照明の明るさ」

深夜営業に必要な「防音」と「照明の明るさ」

届出の前に、静かに確認しておきたい構造のポイント


「深夜営業って、書類さえ出せばいいんじゃないの?」
「お店が静かな場所だけど、防音ってほんとに必要?」
「明るさまで見られるなんて知らなかった…」

そんな声を、実際の相談でもよく聞きます。
たしかに、書類を出すことは第一歩です。
しかし、それだけでは届出が完了するわけではありません。

深夜にお酒を提供するには、構造や設備も法律の基準に沿っていることが前提になります。
なかでも、特に見落としやすいのが「防音」と「照度(明るさ)」の2つです。
だからこそ、準備の段階でこのあたりを確認しておくことがとても大切です。


書類だけでは通らない理由

深夜0時以降も営業したい飲食店は、「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を警察署へ提出しなければなりません。
対象となるのは、たとえばバー、深夜居酒屋、接待のないスナックなどです。

一方で、スタッフが客席に座って接客をするようなお店は、風俗営業1号許可が必要になります。
そのため、接待をしない深夜営業の場合は、深夜営業届による届出で営業が可能です。

とはいえ、提出するのは書類だけでは済まされません。
なぜなら、警察はお店の構造や安全面についても丁寧にチェックするからです。
つまり、「営業できる状態かどうか」まで見られるということになります。


防音対策、甘く見ない方がいい理由

夜の街はとても静かです。
だからこそ、店の中の音がわずかに漏れるだけでも、外では意外と大きく聞こえます。
このような音漏れは、近隣トラブルにつながりやすいものです。

そのため、警察は以下のような点を重点的に確認します。

・ドアや窓がしっかり閉まり、すき間がない構造になっているか
・壁や天井に吸音材や防音材が使われているかどうか
・スピーカーの音量や向きが適切かどうか
・出入口から音が漏れにくい設計になっているか

特にカラオケを設置する予定がある場合は要注意です。
場合によっては、防音対策が不十分なままだと届出自体が受理されません。


照明の明るさも、しっかり見られています

もうひとつ大事な確認項目が「照度」、つまり店内の明るさです。
これは「ルクス」という単位で測定され、照度が20ルクス以上であることが届出の条件とされています。

たとえば、あまりに店内が暗いと、警察は「違法行為が見えづらくなる環境」と判断することがあります。
そのため、照度は見落とされがちですが、実はとても重要な要素です。


照度の目安(参考)

・ロウソク1本の明かり:10ルクス未満(基準未満)
・暗めのバーやカフェ:30~50ルクス
・コンビニの店内:300~500ルクス

雰囲気を大切にしたいという思いはとてもよくわかります。
とはいえ、明るさが足りないままだと届出が受理されないこともあるため、注意が必要です。


照度を測るときのコツとポイント

照度を確認するには、「照度計(ルクスメーター)」という機器を使います。
測定は、営業時と同じ明るさに設定したうえで行い、以下の場所をチェックします。

・カウンター席
・客席の中央付近
・出入口まわり

これらの場所すべてで、20ルクス以上を確認できるのが理想です。
また、不安がある場合は行政書士や設備業者に相談するのもおすすめです。


構造に関するその他の注意点

防音や照度以外にも、構造面ではさまざまなチェックポイントがあります。
たとえば、次のような点も見落とされがちです。

・建物が営業可能な用途地域にあるかどうか
・住居と営業スペースが明確に分かれているか
・非常口や避難経路がしっかり確保されているか
・提出する図面(略図や求積図)に不備がないかどうか

これらの条件も一つでも欠けていると、届出が通らない可能性があります。


もし届出が受理されなかったら?

「届出が通らなかったらどうしよう」と思う方もいるかもしれません。
でも安心してください。届出が一度で通らなくても、改善すれば再提出できます。

たとえば、以下のような方法で対応できるケースが多く見られます。

・店内が暗い → 電球の種類や数を見直す
・音が漏れる → 防音シートや防音カーテンで対策する
・図面にミスがある → 正しい図面を再提出する

このように、対応可能なケースがほとんどなので、焦らず一つずつ整えていけば問題ありません。


不安なら、専門家に頼るのも一つの方法です

「照明の明るさってどうやって測るの?」
「図面って何を描けばいいの?」
「警察署でのやりとりが不安…」

そう感じたときは、風営法や深夜営業届に詳しい行政書士に相談してみましょう。

たとえば、あらかき行政書士事務所では、次のようなサポートが可能です。

・照度の確認や改善のアドバイス
・図面の作成・修正
・届出書類の作成と提出代行
・お店の構造確認と事前相談

早めに相談することで、手戻りを防ぎ、届出までの流れをスムーズに整えることができます。


最後に伝えたいこと

・深夜に営業するには届出が必要(接待がない場合)
・書類だけでなく、防音と照度の基準も見られる
・照度は20ルクス以上。暗すぎるとNGになることもある
・音漏れ対策は近隣トラブル防止にもつながる
・届出が通らなくても、改善すれば再チャレンジできる

届出はゴールではありません。
安心して営業をスタートさせるための第一歩です。
まずは、お店の中を見直すことから始めてみましょう。

あらかき行政書士事務所
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