「常連だから」と信じていたのに、ツケを払ってくれなくなった。
何度か顔を出してくれていた常連さん。 「給料日に払うから」と言われて、つい認めてしまったツケ。
それが気づけば数ヶ月。 催促しても「もう少し待って」の繰り返し。 そのうち、お店にも顔を出さなくなった。
強く言いたい。でも、長い付き合いだから言いにくい。 そうやって、ずるずると放置してしまっている。
そんな状況、一人で抱え込んでいませんか?
この記事では、ツケが払われないときにできることを、難しい言葉を使わずに説明します。読み終わるころには、次に何をすればいいかが分かるようになっています。
まず知ってほしい。ツケには「期限」があります
ツケは、いつまでも請求できるわけではありません。 ある期間を過ぎると、法律上「もう払わなくていい」ことになってしまいます。これを時効といいます。
ここで大事なポイントがあります。
昔は、飲み屋のツケは1年で時効でした。 でも法律が変わって、今は5年に延びています。
「5年もあるなら、まだ大丈夫」 そう思うかもしれません。
でも、これは落とし穴です。
「まだ時間がある」と思って放置している間に、相手は引っ越したり、連絡が取れなくなったりします。時間が経つほど、相手の居場所も分からなくなり、回収はどんどん難しくなります。
5年あるから安心ではなく、5年経つと請求する権利そのものが消える、と考えてください。
だからこそ、早めに動くことが大事なんです。
口で催促しても、なぜか払ってもらえない理由
電話しても「今月中には払うから」 たまたま会えても「もうちょっと待って」
これが何度も続くと、こちらが疲れてしまいます。
なぜ口での催促だと払ってもらえないのか。 理由はシンプルです。
口で言うだけだと、記録が残らないからです。
記録が残らないと、相手は「まだ本気じゃないな」「もう少し引き延ばせる」と感じてしまいます。だから後回しにされてしまうんです。
逆に言えば、「これは本気だ」と相手に伝われば、状況は一気に動きます。
そこで使うのが「内容証明郵便」
内容証明郵便とは、郵便局が「この内容の手紙を、誰が、いつ、誰に送ったか」を証明してくれる特別な郵便です。
普通の手紙と何が違うのか。
普通の手紙→「そんな手紙は受け取っていない」と言われると、それ以上どうにもできない 内容証明→郵便局が公式に証明してくれるので、後から言い逃れができない
そして何より大きいのが、相手が受ける印象です。
内容証明が届いた相手は、こう感じます。
「これは本気だ」 「次は裁判になるかもしれない」
そのプレッシャーだけで、今まで動かなかった人があっさり払う、ということがよくあります。
ここが落とし穴。やりがちな3つの失敗
ここからが大事です。 法律をよく知らないままやってしまうと、「ちゃんとやったつもり」が逆効果になることがあります。
実際にやりがちな失敗を3つ紹介します。
失敗①「内容証明を送ったから、もう安心」
これが一番多い勘違いです。
内容証明を送ると、確かに時効はいったん止まります。 でも、止まるのは6ヶ月間だけです。その6ヶ月の間に裁判などの次の手続きをしないと、時効はそのまま完成してしまいます。
「送ったから大丈夫」と安心して放置すると、6ヶ月後に振り出しに戻ってしまうんです。 内容証明は「ゴール」ではなく「スタート」だと思ってください。
失敗②「毎月催促してるから、時効は止まってるはず」
「何度も催促してるんだから、時効なんて関係ないだろう」 そう思う人も多いです。
でもこれも違います。
催促で時効を止められるのは1回きりです。2回目、3回目と催促を繰り返しても、時効を止める効果はもう生まれません。
つまり「催促し続けていれば安心」ではないんです。 一度きりのチャンスを、次の手続きにつなげる必要があります。
失敗③「強く書けば効くと思って、脅すような文章にする」
「払わないなら家まで取りに行く」 「払わないと周りにバラす」
回収したい気持ちが強いと、つい脅すような文章を書いてしまいがちです。
でもこれは危険です。 脅しと受け取られる文章を送ると、今度は自分が責任を問われる立場になってしまうことがあります。回収するつもりが、逆に自分が不利になるんです。
請求の文章は、感情ではなく「事実」と「期限」を冷静に書くのが正解です。
じゃあ、正しくはどう進めるのか
失敗を避けるための流れはこうです。
①ツケの内容を整理する 誰が・いつ・いくら・どんな約束だったかをメモにまとめます。 レシートやメモ、LINEのやり取りが残っていれば、それも証拠になります。
②文章を作る 「いくら払ってください」「いつまでに払ってください」を、冷静に、事実ベースで書きます。
③郵便局で送る 本文とコピー2部を持って郵便局へ。配達証明もつけて「届いた記録」を残します。
④6ヶ月以内に次の動きを決める 払われなければ、少額訴訟や支払督促という次の手続きに進みます。ここで止まらないことが大事です。
ちなみに、相手が「払う」と言ったら
もし相手が「来月必ず払います」と認めてくれた場合、これは大きな前進です。
相手が支払いを認めると、時効はその時点からまたゼロに戻ります。 つまり時間の余裕ができます。
ただし口約束だけだと後で「言ってない」となりがちなので、できればメッセージなど形に残る方法で残しておくと安心です。
まとめ
ツケは昔は1年、今は5年で時効になる 放置すると回収できなくなる。早めの対応がとにかく大事 内容証明を送っても、止まるのは6ヶ月だけ。送って安心はNG 催促は1回きりしか時効を止められない 脅す文章は逆効果。事実と期限を冷静に書く
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参考リンク:日本郵便 – 内容証明について
