AIに相談する人が増えた今、行政書士に頼む意味

「それ、AIに聞いてみたんですけど」。最近、相談のLINEや電話で、この一言を聞くことが増えました。

調べてから来てくれるのは、ありがたいことです。ちょっとした疑問なら、AIはよく答えてくれますから。ただ、その答えを握りしめたまま「これで合ってますよね…?」と不安そうな人も、同じくらい増えた気がします。

世界18カ国・約1万9000人に聞いた2026年の調査(保険大手アクサとIPSOS)では、6割を超える人が、心の悩みでAIを頼った経験があると答えています。24時間、無料で、誰にも知られずに聞ける。そりゃ使いますよね。手続きの相談も、流れは同じです。

では、行政書士の仕事はAIに取られてしまうのか。これ、よく聞かれます。私の答えは「使えるところは大いに使えばいい。でも任せきりは危ない」。理由を順番に書きます。

AIに流れるのは、当たり前だと思う

正直、AIが選ばれる気持ちはよく分かります。夜中でも答えてくれるし、何度聞き返しても怒られない。お金もかからない。窓口に電話して「こんなこと聞いていいのかな」と身構える必要もありません。

うちでも、下調べや文章のたたき台づくりにはふつうに使っています。だから「AIなんて」と切り捨てる気はまったくありません。調べ物の入り口としては、よくできた道具です。

ただ、AIで痛い目を見た人もいる

同じ調査には、こんな数字も並んでいました。回答に満足できなかった人が45%、答えに不快感を覚えた人が32%。そして、AIの助言どおりに動いて、かえってまずいことになったという人が28%。

3割近くが「言うとおりにして失敗した」と感じている。これは軽く見られない数字です。

AIは、よくある質問に“平均点の答え”を返すのは得意です。でも、画面の向こうにいるあなたの事情までは見ていない。そこがいちばんの落とし穴だと思います。

手続きは、人によって正解が変わる

行政書士の仕事がAIで終わらないのは、答えが一人ひとり違うからです。

たとえば車庫証明。AIは「自分で取れますよ」と教えてくれます。間違いではありません。でも実際は、駐車場の図面の寸法、土地が誰の名義か、賃貸なら持ち主の承諾があるか――こういう所でつまずきます。つまずく場所が人によって全然違うので、ひとつの“正解”では足りないんです。

風営の許可なら、店の図面の測り方ひとつで結果が変わります。AIは現地を見られません。内容証明にいたっては、同じ内容でも書き方しだいで「ただの手紙」にも「効く文書」にもなる。ネットの例文をそのまま送って、あとで不利になった、という相談も実際に来ます。

AIで十分なときと、人に聞いた方がいいとき

なんでもかんでも相談に来てください、とは言いません。制度のざっくりした仕組みを知りたい、言葉の意味を調べたい、下書きのたたき台がほしい――この辺りはAIで十分です。急ぎでもないなら、なおさら。

一方で、自分のケースで本当に通るか不安なとき、期限が迫っていて失敗できないとき、出した書類が役所や相手にちゃんと効くか心配なとき。お金や権利が絡む話。このあたりは、一度人の目を通しておいた方が安全です。直すなら、早いほど楽ですから。

結局、こちらが引き受けているもの

では行政書士は何をしているのか。ひとことで言えば、AIが苦手な“最後の詰め”です。あなたの話を聞いて、どの制度が当てはまるか見分ける。通る形に書類を組み立てて、窓口に出す。足りない部分を直し、役所とのやり取りも代わりにやる。そして、その中身に責任を持つ。

ついでに言うと、AIが「会社、作れますよ」と返してきても、登記そのものは司法書士、税金の話は税理士の領分です。私たちが見るのは、その手前の準備と全体の道案内。自分の範囲を超える話は、変に抱え込まず、その道の専門家へおつなぎします。

よくある質問

AIの答えを信じて、そのまま手続きしても平気ですか?

一般的な話なら、参考になります。ただ、書類を出す・期限がある、という場面は、出す前に一度プロに見せてほしいです。AIは“あなた専用”には答えてくれないので。

こんな簡単なこと、頼んだら大げさでしょうか?

いえ、「自分でできそうだけど、ちょっと不安」くらいが、ちょうど相談どきです。短い確認だけでもかまいません。

沖縄だと、手続きのルールが違うこともありますか?

地域で運用が変わることはあります。最終的な要件や費用は、管轄の窓口で確かめるのが確実です。

さいごに

AIは、頼れる“下調べの相棒”です。そこは本当にそう思います。でも、あなたの事情に合わせて、責任を持って動くのは、やっぱり人の仕事です。「AIに聞いたけど、これで合ってる?」――その確認のために、私たちがいます。

「AIで調べたけど、これで合ってるか不安」。
その確認だけでも大丈夫です。気軽にLINEからどうぞ。

LINEで相談する

最新情報をチェックしよう!