先日、クレジットカード決済代行会社の経営破綻に関する報道がありました。カード決済を導入している店舗にとって、これは意外と身近な話かもしれません。お客さんがカードで支払った売上が、予定どおり店舗へ入金されるかどうかは、日々の資金繰りにも関わってくるからです。
今回破産したのは、飲食店を中心に全国20万店以上と契約していたとされる会社です。規模が大きいぶん、影響が及ぶ店舗も少なくないと見られています。こうした報道を、自分のお店の決済まわりを一度振り返るきっかけにしてみるのもいいかもしれません。
カード決済は「その場で売上が入る」わけではない
意外と見落とされがちなのですが、お客さんがカードで支払っても、その代金がすぐに店舗の口座へ入るわけではありません。カード会社や決済代行会社を通じて、決められたサイクルで後日入金される仕組みになっています。
多くのお店は、この「先に立て替えて入金してくれる」サービスを便利に使ってきました。ただ、間に入っている会社に問題が起きると、入金が止まってしまうことがあります。今回も、破産手続きの開始に伴って決済サービスが停止し、それまでに立て替えを受け取れていなかった売上金の支払いが難しくなるとされています。普段は意識しない仕組みですが、知っておくだけでも、いざというときの動きが変わってきます。
まず思い出しておきたい、自社の決済契約
はじめに確認しておくと安心なのが、自分の店がどの会社を通じてカード決済をしているか、という点です。「カード決済は入れているけれど、契約先まではよく覚えていない」という方も、意外と少なくありません。
手がかりになるのは、こんなあたりです。
- 決済端末の契約書
- 決済会社から届いているメール
- 入金明細
- 管理画面のログイン情報
- 通帳に記帳される入金の名義
- カード決済の契約先の会社名
特に、通帳の入金名義は分かりやすい手がかりです。見慣れない会社名で入金されている場合、そこが実際の契約先であることが多いです。QRコード決済を使っているお店も、それが今回の会社を経由した契約なのか別契約なのかで話が変わってくるので、あわせて見ておくと安心です。
未入金のカード売上がないか、見ておくと安心
契約先が分かったら、「まだ入金されていないカード売上がないか」も見ておくと安心です。今回のように会社が破産すると、決済済みでも入金前の売上は、通常のサイクルでは支払われなくなることがあります。
こんな項目を整理しておくと、あとあとラクです。
- 決済した日
- 入金予定日
- 入金済みか、未入金か
- 未入金の金額
- カードブランドごとの明細
- 決済会社から届いている通知の内容
今回の件でも、業界団体が加盟店に向けて、端末の使用を止めることと、未入金の売上代金を記録しておくことを呼びかけていました。金額をまとめておくと、もし後で手続きが必要になったときにも役立ちます。
資金繰りが不安なときは、早めに相談を
未入金の売上があると、家賃、仕入れ、人件費、借入の返済など、日々の支払いに影響が出てくることがあります。特に、カード売上の割合が大きいお店ほど、影響も大きくなりがちです。
「少し資金繰りが不安かもしれない」と感じたときは、早めに相談してみるのがおすすめです。取引のある金融機関、地元の商工会や商工会議所、各都道府県の中小企業支援の窓口などで、状況に応じた相談に乗ってもらえます。困ってから慌てるよりも、早い段階で一度話しておくほうが、選べる道も多くなります。
決済手段を一つに頼りすぎないという視点
今回のようなことがあると、改めて感じるのが「受け取り口を一つに絞りきらない」という考え方です。一つの会社に頼っていると、そこが止まった瞬間、売上の受け取りそのものが止まってしまいます。
例えば、こんな組み合わせがあります。
- 別のカード決済サービス
- QRコード決済
- 現金対応
- 銀行振込
- 複数の手段を併用しておく
特定のサービスをおすすめするつもりはありません。ただ、いざというときのために「もう一つの受け皿」があると、営業を止めずに済みます。すでにQRコード決済のアカウントを持っているお店なら、それがつなぎになることもあります。
法的なトラブルは専門家へ
ここは正直にお伝えしておきたい点です。未入金の売上を実際に回収できるか、損害賠償を求められるか、破産手続きにどう関わるか、といった判断は弁護士の専門領域になります。
行政書士としては、契約内容の確認や、まず整理しておきたいことのお手伝いはできます。ただ、未払い金の回収や法的責任の追及そのものに踏み込むことはできません。回収や賠償が具体的に問題になりそうなときは、早めに弁護士へ相談してみてください。破産した会社には破産管財人という担当者が就くので、正式な連絡や手続きは、そちらが窓口になります。
まとめ
カード決済は便利ですが、決済代行会社を通じて入金される以上、契約先や入金状況を知っておくと安心です。今回のような報道を、自社の契約書、入金明細、未入金額、そして今後の決済手段を一度振り返るきっかけにしてみるのもいいかもしれません。
事業を続けていくうえでは、売上を増やすことだけでなく、入金の流れや契約内容を確認しておくことも大切です。気になる点がある場合は、早めに関係機関や専門家へ相談してみてください。
手続きの内容がはっきりしていなくても大丈夫です。
まずはLINEでお気軽にご相談ください。
